2022年以降に活性化する決済のトレンド

2月 21日 2023 | PayPal editorial staff

決済に関して、顧客の選択肢はこれまで以上に増えています。顧客の期待に応えることは、ビジネスの成長にとって重要ですが、適切なインフラがなければ、業務の複雑さとコストを増大させてしまいます。
グローバル市場では、店頭での現金購買の割合が2020年では約3分の1(32.1%)減少しています。1

現金に代わって、デジタルウォレットをはじめとする次世代の決済手段に代替されています。デジタルまたはモバイルウォレットの利用者数は増加の一途をたどっており、2025年には48億人(世界人口の約60%)に達すると予測されています。2

すでにオンライン決済(eコマースの取引量の44.5%を占める3)は世界中で利用されており、店頭での支払いではデジタルウォレットが、現金やカードの利用を上回ると予想されています。

アジア太平洋地域(APAC)が、デジタル決済をリードしています。APACのオンライン人口の約半数(46%)がデジタルウォレットを日常的に利用しており、2020年には世界のモバイルマネー登録アカウント数の45%をAPACが占めると予想されています。4

中国では、モバイルウォレットの普及率が2025年には98.6%に達し、取引総額は337兆ドルに達すると推測されています。5

2020年、香港のモバイルウォレットの普及率は85%と世界最高水準に達しています。6

日本では、モバイルウォレットの普及率が2025年には91.1%に達し、取引総額は5.5兆ドルに達すると推測されています。7

シンガポールでは、モバイルウォレットの普及率が2025年には94.7%に達し、取引総額は8兆ドルに達すると推測されています。8

業界を問わず、デジタルウォレット、非接触型決済、QRコード、インスタント決済、BNPL(Buy Now Pay Later)オプションは、さらなる選択肢、スピード、利便性をもたらしています。その上、顧客は期待通りの体験が得られない場合、すぐに他へ移ってしまいます。

それはビジネスにとってどのような意味をもたらすのでしょうか?
 

顧客が求める決済手段の提供


デジタル決済手段の導入は、世界的な新型コロナウイルスの流行により加速しており、東南アジア、中南米、中東・アフリカなどの急成長中の市場では、すでにモバイルウォレットが現金やカードに取って代わっています。9

ご想像の通り、若い年齢層が導入を促進しています。

18~34歳の間では、デジタル決済チャネルの導入率は93%に達しています10。一方で、55歳以上では導入率は62%にとどまっていますが、この年齢層と35~54歳の中間層では、第二デジタル決済手段の導入率が最も高くなっています。

若年層にはBNPLも人気があります。Z世代は26億人の世界市場で、多くの企業にとって重要なオーディエンスとなっています。11店頭でのBNPL利用率は、Z世代が5.7%、ミレニアル世代が15%にあるのに対し、それ以上の年齢層ではわずか3%です。オンラインでのBNPLオプション利用の傾向も同様で、Z世代の11%、ミレニアル世代の26%に対し、それ以上の世代では7.5%となっています。

今後の展望として、暗号通貨は成長を続けます。世界の中央銀行の86%もがデジタル通貨の利用を検討しています。122021年第2四半期には、世界の暗号通貨取引が四半期ごとに32%増加し、消費者の45%が暗号通貨の利用に前向きであると答えています。13これは2022年に限ったことではありませんが、ビジネスはこの顧客の需要に応える方法について考え始める必要があります。

決済手段やクレジットの選択肢に対する変化のスピードや地域ごとの傾向は世界各地で異なりますが、方向性は明確です。顧客は、決済手段の選択肢が増えることを期待しています。

顧客の期待に応えることは重要です。顧客が希望する決済手段やブランドを提供できない場合、オンラインでのカート放棄が4~10%増加すると推測されています。14

ペイパルを利用しているビジネスは、必要に応じて決済手段の追加が可能で、決済ソリューションの再開発や再統合は不要なため、刻々と変化する顧客の期待に応え、さらにその先にも行くことができます。
 

決済におけるカスタマーエクスペリエンスへの取り組み


顧客は、個々のニーズに合った決済体験を求めています。

利便性とスピードが重要であることは、非接触型のタッチレス決済が世界的に普及していることからもわかります。オンラインでは、取引の3分の2以上が放棄されており、5人に1人の消費者が決済のプロセスが長すぎたり複雑すぎたりすることが原因だと答えています。15

顧客は、カード番号や個人情報を再入力する必要のないPayPal Checkoutのようなスピーディーさとシンプルさを提供するソリューションを高く評価しています。

顧客の期待が変化し続ける中で、迅速に適応する競合他社に収益を奪われないように、機敏性を保つことはすべてのビジネスにとって重要です。従来の企業向け決済ソリューションは、安全で安定しているように見えますが、多くの場合、導入に時間がかかり、煩雑で、新しい決済手段やモデルに簡単には対応できません。
 

顧客の信頼を高め、不正利用を減らす


サイバー犯罪は巨大組織で、顧客の不安は高まっています。

世界的なサイバー犯罪の被害額は現在、年間1兆米ドル近くに達しており16、Mastercardの最近の調査では、2020年に消費者の4人に1人が何らかの被害を経験したと答えています。これは、前年比49%増となります。17

デジタルIDのような不正防止技術への投資は増加しており、3DSecureのような追加の決済認証ステップの要求は標準化されつつあります。企業にとっての課題は、ビジネスリスクを軽減し、顧客のお金とデータの安全性を確信してもらうため、先回りしてセキュリティ要件に対応することです。

考慮すべきことは他にもあります。決済システムが誤って決済を拒否した場合、企業の収益損失につながります。顧客を決済に導くために投資を行っても、不正防止ツールが厳しすぎることが原因で正当な決済を拒否してしまうと、売上を失うことになります。大企業の場合、承認率が2%向上するだけで、これまで失われていた100万ドル以上の収益取得の可能性があると、Mercatorの調査によって判明しました。

ペイパルの高度で適応性のあるリスク管理ツールは、ビジネスにおいて誤判断による決済拒否を減らすのに役立ちます。ペイパルでは、膨大な取引データをもとに機械学習を用いて、企業が決済承認システムを最適化しています。それにより、決済の誤判断による拒否を減らし、より多くの収入を得ることを目的としています。

企業は決済のソリューションが高度な分析機能を利用して、決済承認を最適化していることを確認する必要があります。ペイパルの不正リスク管理のアプローチについては、こちらもご覧ください。
 

エンタープライズグレードの決済プロバイダー、アジャイルのメリット


顧客の期待に応えることは重要ですが、期待される体験の提供、新たな決済ソリューションの追加、それに伴う不正利用のリスクを管理は、企業運営を複雑化し、莫大なコストがかかります。

多くの企業は、決済機能を自社で管理するのではなく、ペイパルのように自社の企業システムと簡単に統合できるモジュール型の決済ソリューションを採用しています。

ペイパルでは、1回の統合で提供するすべてのツール、技術、データにアクセスが可能です。ビジネスは、世界中で利用されている複数の決済手段(代替決済手段を含む)にアクセスでき、企業のターゲット市場で必要に応じて切り替えることができます。これにより、新しい国際市場でのビジネスの拡大が容易になります。

また、ペイパルは顧客が期待するシンプルでスムーズな決済体験を提供し、ビジネスの収益増加のサポートを念頭に設計されています。また、ペイパルでは、より質の高いデータの利用、より洗練されたリスクスコアリング、最適化された決済承認を行うことで、不正利用のリスクを低減することができます。

全世界で4億人以上の顧客を持つペイパルは、グローバルな規模で、ローカルな専門知識、高い処理能力、そしてデータインサイトで企業をサポートします。今日のデジタルコマースの世界でお客様のビジネスが成長し、競合に打ち勝ち、成功するために体制を整えることができます。

ペイパルが企業に提供するサポートについて、詳しくはこちらをご覧ください。
参考文献

1 FIS Worldpay (2021)、The 2021 Global Payments Reporthttps://worldpay.globalpaymentsreport.com/

2 Global Newswire (2021)、Study: More than half of the world’s population will use mobile wallets by 2025https://www.globenewswire.com/en/news-release/2021/07/08/2259605/0/en/Study-More-than-half-of-the-world-s-population-will-use-mobile-wallets-by-2025.html

3 FIS Worldpay (2021)、The 2021 Global Payments Reporthttps://worldpay.globalpaymentsreport.com/

4 Capgemini (2021)、World Payments Report 2021https://worldpaymentsreport.com/

5 Boko (2021)、Mobile Wallets Report 2021http://boku.mobilewallet.report/

6 Yahoo!Finance (2021)、Global Mobile Payment Methods 2021 Post COVID-19https://finance.yahoo.com/news/global-mobile-payment-methods-2021-082800946.html

7 Boko (2021)、Mobile Wallets Report 2021http://boku.mobilewallet.report/

8 Boko (2021)、Mobile Wallets Report 2021http://boku.mobilewallet.report/

9 Capgemini (2021)、World Payments Report 2021https://worldpaymentsreport.com/

10 McKinsey (2020)、US digital payments: Achieving the next phase of consumer engagementhttps://www.mckinsey.com/industries/financial-services/our-insights/banking-matters/us-digital-payments-achieving-the-next-phase-of-consumer-engagement

11 PYMNTS.com (2021)、Deep Dive: How BNPL Solutions Are Answering Gen Z’s And Millennials’ Financial Needshttps://www.pymnts.com/buy-now-pay-later/2021/millennials-gen-z-retail-shopping-payments-habits/

12 Capgemini (2021)、Payments Top Trends 2022https://www.capgemini.com/resources/top-trends-in-payments-2022/

13 Capgemini (2021)、Payments Top Trends 2022https://www.capgemini.com/resources/top-trends-in-payments-2022/

14 Mercator Advisory Group (2020)、Are you maximising your revenue potential?https://www.paypal.com/hk/brc/article/enterprise-solutions-mercator-study

15 Baymard Institute (2021)、44 Cart Abandonment Rate Statisticshttps://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

16 Center for Strategic & International Studies (2020)、The Hidden Costs of Cybercrimehttps://www.csis.org/analysis/hidden-costs-cybercrime

17 CNBC (2021)、Rise in online payments spurs questions over cybersecurity and privacyhttps://www.cnbc.com/2021/07/01/new-digital-payments-spur-questions-over-consumer-privacy-security-.html
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